もう,音楽をきちんと届けられる企業など存在しない。だから,アップル・レコード,という発想がとってもリアル(via オゥクストラ)。iPodの_ため_のミュージシャンが出てくるまで,音楽は死んでていい。
「中古ゲーム訴訟」は約4年の歳月の末,中古ゲームソフトの自由流通を認めた。ゲームソフトは映画と同じくメーカーに頒布権があるとしながら,消費者が購入した時点で譲渡の頒布権は消滅するとした。上告を棄却されたコンピュータソフトウェア著作権協会は,「これまでは頒布権を基にしたJASRAC方式の枠組みを考えていたが考え直すことになる」という考えを示した。
こんな至極当然な判決に4年以上も巻き込まれた人たちが気の毒だが,この判決はそのまま,昨今際立ってきている音楽の著作権の暴論にも役立つ。話はちょっと変わる。私はいつも秋葉原に出向くとCDショップを巡回するが,そのうちのいくつかの中古CDショップは新品音楽CDを値引きして売っている。3000円程度の音楽CDなら500円ほどの値引きが一般的だ。もちろん再販制度からは逸脱している行為。だが,秋葉原では日常的な風景だ(と思う)。コピープロテクトCDに端を発した最近の日本レコード協会の中古CDショップ抑圧(ZDNet Newsの記事)の,一因にもなっているだろうと私は勝手に思っている。
とは,いっても,安売りされてるCDしか買わないかというとそんなことはなく,豊富な店頭在庫を維持できるのは定価を維持しているCDショップの方だ。別に価格を維持しているCDショップを悪くいうつもりはなく,その棲み分けは可能であり,そんななかに自分の欲望垂れ流しの発言をする音楽業界には死んでもらった方がいいと思うだけだ。現行,再販制度は文化の維持などの目的ではなく,個人の暴利のためにしか利用されていない。もし仮に,メーカーがネット通販を本質的に活性化させれば,店頭在庫に頼る必要も薄くなり,本当に欲しいものなら高い価格設定をしても欲しい人は買う,買うでしょ? あなたも。まぁ云ってわからないんだろうから,もう術はない。現行のレコード会社にはすべて死んでもらい,今までのシステムをまったく持たない,新しい音楽企業が現れるまで,音楽は死んでていい。
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